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今強いタレントって、誰だろう?

年間12万名、四半期でも4万名が活躍するタレント業界、今、人々がより多く接触し話題にしているタレントは誰だろう?

エム・データが提供するタレント全量データサービス「Talent Rank」には、タレントポジショニングというメニューがある。これはTalent Rankが扱う二つの主要データ、テレビの全放送内容を記録したTVメタデータとTwitter全量タレントデータから、この延べ12万名にも及ぶ全てのタレントの最新の勢力図を一目で見渡すことを可能にしてくれるメニューだ。

このタレントポジショニングを使って、最新のタレント事情を見ていこう。

なを、本稿では現在開発中の「Talent Rank」のサマリー編である「タレント四季報」のメニューを用いている。




■最新のタレントパワーがわかる、タレントポジショニング


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図1:2018年1-3月期のタレントポジショニング(全タレント分布)




図1は、2018年1-3月期のタレントポジショニング、「全タレント分布」だ。

図の縦軸はTwitter全量データから、それぞれのタレントがツイートされたアカウントの数を抽出したもの、つまり何人の人々がそのタレントをツイートしたのかという数だ。Twitter上でどれだけの人がそのタレントのことを話題にしたのかという数で、ネット上でのそのタレントの話題力を表していると考えていいだろう。

横軸はTVメタデータから、それぞれのタレントがテレビ番組に登場した番組分数を集計したもの。そのタレントがどれだけテレビに出ていたのかという数字で、テレビ上での露出力を把握することができる。

どちらの数値も2018年1-3月期の週平均を用いている。週平均にすることで、週当たりの話題力、露出力の数値として他の期間との比較が容易になる。またテレビ番組分数はタレント本人が出演したものと、本人の出演はないが本人の話題が露出したものの合計を用いている。本人出演だけではなく話題露出も集計することで、そのタレントのテレビ番組露出の総量、テレビ露出力をトータルで把握しようというわけだ。さらにタレント個々の円の大きさはタレント本人のテレビCM露出量を表している。円が大きいほど、テレビCM露出が多かったタレントということだ。番組だけではなくそのタレントのCMパワーもこれでわかる。

1-3月期の全タレント分布で目立つのは、羽生結弦だ。全タレント分布の中で、中央の一番上に他のタレントから大きく離れて羽生が一人だけプロットされているのがお分かりいただけるだろうか。1-3月期で羽生より多くテレビに露出したタレントは羽生の右横に何人も並んでいるが、縦軸で表される羽生のTwitter量は他のタレントと比べて圧倒的に大きく、仮にチャート上で羽生のTwitter量(縦)を長辺、テレビ量(横)を短辺とした長方形を描いてみると、その長方形は他のどのタレントが描く長方形よりも大きなものになることがお分かりいただけるであろうか。この長方形の面積がテレビ露出量(露出力)とツイート量(話題力)で描く羽生結弦のタレントパワーだ。

2018年1-3月期でテレビ露出量が多く、Twitter上で最も多く話題にされたタレントが羽生結弦であることが、タレントポジショニングで見ると一目でわかる。しかも、羽生と他のタレントとの圧倒的な差が、ビジュアルにより簡単に理解することができるのだ。

タレントポジショニングがタレントパワーを直感的に把握する上で有効であることが、お分かりいただけたであろうか。

タレントポジショニングは縦軸と横軸の数値の範囲を変えることもできるので、例のようなタレント全体像を俯瞰することもできれば、特定の数値範囲に絞り込んだ比較も可能になる。これは、本稿の後半をお読みいただくと、その有効性がご理解いただけるだろう。





■タレントを分類する「4つのグループ」


それでは、図1のタレントポジショニングをさらに詳細に見ていこう。

縦軸のTwitterアカウント数と横軸のTV番組分数からそれぞれ青と赤の補助線が出ているのにお気づきだろうか。これはそれぞれの軸の数値の上位5%と上位20%の値を表している。たとえばTV番組分数の上位5%とは、テレビ露出量ランキングで全タレント中の上から5%のタレントがこの線上にいるということだ。1-3月期のテレビ番組露出量が上位5%以内であるタレントはこの線より右側にいるということを表している。Twitterのほうの青い補助線も同様で、TwitterのTop 5%の線はこの線より上にいるタレントは1-3月期のTwitter量が全タレント中上位5%以内のタレントであったことを表している。

前回の記事(次のスターは誰だ?タレントヒットの法則「100分の壁」)で、週当たりのテレビ番組露出量が「100分の壁」を超えることがタレントブレークの条件であるとお話しした。実は、テレビ露出上位20%の値がこの週100分に相当するのだ。週100分の壁を越えるということは、テレビ露出量がタレント上位20%以内に入る、ということを意味する。メジャーブレークの条件は、テレビ露出量的には「全タレントの上位20%以内に入る」ということを意味しているのだ。

2018年の1-3月期にTalent Rankに収録されたタレント総数は約4万名になるが、テレビ露出量が上位20%以内でTwitter量も上位20%以内であったタレントは全体の約4%、1,735人であった。この1,735人はテレビ露出がメジャーブレークの条件である週100分を超えていて、同時にTwitterでの話題も上位20%に入っているメジャータレントたちだ。Talent Rankではこの露出力Top 20%越え & 話題力Top 20%越えを同時に満たしているグループを「スーパースター」と呼んでいる。スーパースターは文字通り、テレビでよく見かけネットでも話題になっているまさに現在のスーパーメジャータレントたちだ。

では、スーパースターに入らないタレントはどのように分類されるのだろう。



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図2:テレビ露出量とTwitter量でタレントがどのクラスにいるのかを示した図。「バズメイカー」(左上)はTwitter量が多く、「ブロードキャスター」(右下)はテレビ露出量が多い。テレビ露出量が上位20%以内でTwitter量も上位20%以内となる「スーパースター」(右上)は全体の4%ほど。



一つはTwitterの話題力は高いがテレビ露出力がスーパースターほど高くないグループだ。図2の青いグループがそれになる。Twitterは上位20%以上で話題力はスーパースターと同じだが、テレビ露出がまだTop 20%に届いていないグループになる。このグループをTalent Rankでは「バズメイカー」と呼んでいる。スーパースター並みかそれ以上のTwitter話題力を持つが、テレビ露出はスーパースターほどそれほど多くない、どちらかというとネット先行で話題が盛り上がっているタレントたちがバズメイカーだ。テレビ露出的にはまだまだブレークしていない次世代のスターや、テレビにはなかなか出ないアーティスト、特定のファンに熱烈に支持されていてこれから支持層をさらに拡大していく可能性のあるタレントたちが含まれる。そう、ここはネクストブレイカーの宝庫だ。全体の構成比は約15.5%になる。

バズメイカーと反対に、テレビ露出力はスーパースター並みのTop 20%以内、つまり週100分を超えているがツイート量が上位20%には届かないグループがある。図の緑のグループがそれだ。このテレビ露出はメジャーだがTwitterでの話題があまりないグループをTalent Rankでは「ブロードキャスター」と呼ぶ。構成比は約15.5%になる。このグループには、テレビでは毎日のようによく見かけるがネットではあまり話題になっていないタレントが含まれる。アナウンサーやキャスター、コメンテイター、番組レギュラーを抱えている芸人など、番組キャストの一部として露出機会が多くなっているタレントたちだ。

ここのタレントはすでにテレビ露出力を多く持っているので、その知名度を生かして例えばジョブチェンジ、つまりアナウンサーが俳優・女優や司会者、文化人に転身するなどのカテゴリーチェンジや、テレビ外での活動を活性化させて話題力をつけるなどが次のブレークパターンになるのかもしれない。逆に露出機会は多くてもひな壇化やワイプオンリーの活躍だと、話題力がないだけに露出チャンスを失った途端にタレント生命にもかかわるようなリスクに見舞われるかもしれないので、要注意である。

そして、露出力も話題力も上位20%に届かないのが図の左下の紫のグループ、「一般タレント」だ。構成比は全タレント中65%になる。大半のタレントはこのグループに所属しているわけだ。次のブレークのチャンスを伺うタレントたちだ。一般タレントがスーパースターになるには話題力と露出力を増やしていく必要があるが、ブロードキャスターの存在を考えるとテレビ露出が増えただけではTwitterでの話題がついてくるわけではないことに注意が必要だ。視聴者に愛され、気にされ、話題にされる要素がタレント側にないと、単なる露出チャンスが多いだけの人で終わってしまう。視聴者の気になる存在になれ、ということだ。そうすれば露出チャンスはあとからついてくるし、露出力と話題力をバランスさせたブレークも可能になるだろう。

いかがだろう、この4分類だけでもタレントのタイプや次のブレークパターンが色々と見えてくるのでは無いだろうか。

タレントポジショニングにはTop 20%だけでなく、さらに上位のグループを絞り込むTop 5%の補助線も引いてある。これはスーパースター、バズメイカー、ブロードキャスターの各グループの中からさらに上位のタレントを見つけ出すのに有効だ。

たとえば、全タレント中4%しかいないスーパースターをさらにTop 5% x Top 5%の”超”スーパースターに絞り込むことができる。参考までに2018年の1-3月期のTop 5x5は328人、タレント全体の僅か0.8%だ。この300人こそが、現在のエンターテイメント業界に君臨するスター中のスターと言えるのかもしれない。




■バズ持ちタレントは数字が稼げる


では、このTop 20%のラインとTop 5%のラインを使って、そこに含まれるタレントにどのような違いがあるのかをご説明しよう。

各グループの比較をわかりやすくするためにいくつかの指標をピックアップする。タレント個々人の評価や特徴に関係するような指標だ。TVメタデータからはタレントのCM契約率、CM契約社数の数値を、またライフログ総合研究所で研究用に集計している視聴値データから各タレントの出演GRP、話題GRP、タレントレイティング(タレント視聴値)の数値を参考にする。CM契約は広告主企業が個々のタレントをどのように評価しているかの判断材料になるし、タレントにとってもキャリアや収益の上で重要な指標だ。視聴値系の数値は視聴者がどのぐらいそのタレントを見ているのかの直接指標になる。出演GRPはタレント本人が出演した番組のタレントごとのGRP、話題GRPは本人の出演はないが本人の話題が露出した番組のタレントごとのGRP、タレントレイティングはタレント個々人が持つ視聴値だ。図2にはこれらの5指標が一般タレントのグループと比較してどのように変化するのかがわかるように倍数を示したので参考にして欲しい。この倍数は一般タレントとバズメイカーTop 5%(左側縦の矢印)、一般タレントとブロードキャスターTop 5%の差(下横の矢印)、さらにバズメイカーTop 5%とスーパースターTop 5%(上横の矢印)、ブロードキャスターTop 5%とスーパースターTop 5%の差(右縦の矢印)だ。


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再び図2:「バズメイカー」「ブロードキャスター」「スーパースター」それぞれのクラスへ変化する倍数を矢印と共に示している。



結論をまとめると、

・バズ(ツイート)が多いタレントほどCM契約率が高くなる、CM契約社数も多くなる、バズの多いタレントほどCM契約は有利である。

・テレビ露出量が増えただけではCM契約率、CM契約社数は上がらない、テレビ露出よりもバズ量の方がCM契約には有利である。

・バズが多いタレントほど話題GRPも多くなる、バズの話題量とその内容がテレビでの話題量とその内容に関連しているケースも考えられる。

・バズが増えただけでは出演GRPは増えない、バズとテレビ出演オファーはリンクしていない、テレビ出演だけを考えればバズがなくてもいい。

・タレントレイティング(タレント視聴値)が一番伸びるのは、あらかじめバズを持っているタレントのテレビ露出が増えたパターン。


いかがだろう、バズ持ちタレントは数字が稼げそうというのが見えてこないだろうか。

バズがなくてもテレビ露出チャンスは増やせるが、広告主がCMにキャスティングするケースや、実際にタレント個人の視聴値が稼げるケースでバズ持ちタレントは有利だ。これはタレントビジネス的には重要なファクターではないだろうか。





■タレントはストーリーで探せ


最後に、これらのタレントグループの中からどのようにタレントを絞り込むべきか、ご紹介しよう。

テレビ露出のTop 20%ラインが週100分であることはご紹介した。同様にテレビのTop 5%、TwitterのTop 20%、5%にも数値がある。実際の数値を図3に表したので参考にしてほしい。ただしあくまでここでの数値は目安に過ぎず、重要なのはそのタレントが現在どのクラス(グループ)に属していて、直近でそのタレントにどのような変化があったのか、あるいはなかったのかということだ。

クラスごとには特徴があり、あるタレントがあるクラスから別のクラスに移動してきたとすると、そのタレントはそのクラスの持つ特徴の影響を受ける。その影響がそのタレントにとってのチャンスでもありリスクにもなりうる。そう、クラス間の移動ヒストリーが重要なのだ。


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図3:クラス間の移動ヒストリー


わかりやすいのは、メジャーブレークの条件である週100分のライン、つまりテレビTop 20%をどこで越えるのかということだ。バズメイカー上位5%以内のグループで越えるのと、20%以内で越えるのと、一般タレントのグループで100分線を越えるのとでは、その後のヒストリーが変わってくる。Top 5やTop 20のキーラインを越えることはそのタレントにとってのマイルストーンになり、どのグループで超えたのかはタレント個々人が持つストーリーに関わってくる。それはタレント本人の成長の記録といってもいいだろう。



Talent Rankは、タレントがそのラインを越える瞬間を見せてくれる。
そのラインを超えそうなタレントを、教えてくれる。Talent Rankの使い方が、少しお分りいただけただろうか。




※Talent Rankやエム・データへのお問合せはこちらから

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